- 二代 横山彌左衛門《武人文大香炉》 1877
- 室江吉兵衛《金銀銅象嵌芭蕉に猫文様花器》 明治期
- 関澤卯市《蓮之金銀象嵌香炉》明治
- 佐野隆親《天燈鬼》明治
- 宮島信行《唐銅鎚起龍文水指》
- 初代 須賀松園《攀龍文大花瓶》大正-昭和初期
- 二代 須賀松園《奩(狩猟文)》 1965
- 三代 須賀松園《生々象》1971
- 立川善太郎《唐銅瑞雲文本焼青銅花瓶》1976
- 金森映井智《象嵌鋳銅花瓶》1991
- 大澤光民《鋳ぐるみ鋳銅花器「響韻」》2005
- 大角勲《天地守動(気)》2003
高岡市美術館は、金属工芸ならびに漆芸、絵画、彫刻などのあらゆる美術・工芸分野から、郷土に縁の深い作家や郷土美術・工芸に大きな影響を与えた作家の作品を系統的に収集・保存しています。とりわけ金属工芸や金属造形については、その多様な展開がわかるよう、全国的・国際的な視野に立ち、幅広く収集しています。 同時に、将来性のある若手作家の作品も収集するなど、特色あるコレクションを形成しています。
二代 石井勇助は、明治時代に活躍した高岡の名工です。明治政府からのデザイン指導を受けていたことが知られており、高い技術でこれに応じました。《福寿文勇助塗飾棚》は、玉石を彫刻して漆で貼る、粘りを強くした漆で筆の勢いを活かしながら描くなど、多彩で高度な職人技がみられ、全体がおめでたい吉祥文様で彩られています。残された図案などの資料から、「第2回内国勧業博覧会」(1881年)出品作である可能性があります。高岡ではこれらの混合技法による作風が「勇助塗」として受け継がれました。
二代 横山彌左衛門(孝純)は、1845年に金沢で生まれ、父孝茂と高岡に移り優れた作品を残した名工です。《武人文大香炉》は、1877年の第1回内国勧業博覧会に出品され、鳳紋賞を受賞、翌年のパリ万国博覧会にも出品されました。蓋にはウワバミ(大蛇)に剣を突き付ける武人の姿が大胆に表現され、胴円部には陽成院の調馬、反対側には中将姫とみられる図像があります。蓋部分の彫金を施したように見える緻密な表現は、実際にはほとんど蠟型鋳造で制作されていると考えられています。武人に退治されるウワバミの口から煙が出る構造になっています。